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世界初　高病原性鳥インフルのオジロワシ　人間用の治療薬で回復　野生に返る　北海道

死ぬ確率が極めて高い高病原性鳥インフルエンザに感染したオジロワシが、研究者らのチームによる2年の治療を経て放鳥されました。薬で回復し、自然に返されるのは世界初です。

勢い良くケージを飛び出すオジロワシ。根室市の風蓮湖で15日、2年ぶりにオジロワシが自然に返されました。

猛禽類医学研究所・齊藤慶輔獣医師:「まずは野生に戻れて良かったなと思う。担ぎ込まれてきた時はもうどうなるかと思ったし、後遺症がひどくて、ずっと頭を振っていた。まさか、ここまで脳症状が改善して飛べるまでになるとは」。

2年前の冬、オジロワシ、オオワシが次々と高病原性鳥インフルエンザに感染しました。絶滅危惧種の数が激減してしまう恐れから、環境省、北海道大学、製薬メーカー、釧路の獣医師らが協力して、人間が使うインフルエンザ治療薬をワシに与える研究が始まりました。

猛禽類医学研究所に生きて保護された10羽のうち、7羽が自力でエサを食べるまで回復、そのうちの1羽が15日、初めて野生に返されました。

環境省釧路自然環境事務所・岡野隆宏所長:「ウイルス薬はかかってしまった時の対応ですけれども、どうやってかからないようにするか、これを考えるのが重要です」。

環境省は、ワシが狭い場所に集まって感染が拡大するのを防ぐため、観光目的での餌やりを、やめるよう呼び掛けています。