立憲民主党、内閣不信任案提出見送りへ･･･。理由は衆議院解散時の候補者がいないから

　政府が通常国会の重要法案に掲げた年金制度改革法案で、立憲民主党は自民党、公明党と手を組み成立が見えてきた。今後の焦点は、立民が内閣不信任決議案を提出するかどうかに移る。党内では「野党第1党の責任」として出すべきだとの主戦論も渦巻く中、野田佳彦代表は熟慮を続ける。　

一度は消えた厚生年金活用案、異例の復活　自民、参院選にらみ立民取り込み優先

　「適時、適切に判断するということに尽きる」「総合的に判断する」。30日、野田氏は記者会見で提出の可能性を問われ、素っ気ない回答を繰り返した。心持ちについても「縷々（るる）説明する話ではない」。

　不信任案の提出には51人が必要で、立民は単独で提出できる唯一の野党。従来は可決の見込みがなく「会期末の風物詩」とやゆされていたが、少数与党下では野党がまとまれば可決できる。石破茂首相は内閣総辞職か、衆院解散を選ばなくてはならない。「衆参ダブル選」への引き金になる可能性もあり、ある立民幹部は「うちは衆院選候補なんて全然足りていない」。野田氏の悩みが深いのは間違いない。

　そこへ立民が与党と年金制度改革法案で足並みをそろえ、自民内では「不信任案を出せないだろう」との観測が飛び交う。立民幹部は「政権と対決するという基本姿勢そのものには毛頭影響ない」（小川淳也幹事長）などとこうした見方を否定。あくまでも野田氏のフリーハンドを確保したい思惑がにじむ。

　「（野党が衆院の）過半数を持たない時はしょっちゅう出し、持っている時に出さないのは国民にばかにされる」。小沢一郎衆院議員は28日、こう強調した。党内に主戦論者が一定いるほか、日本維新の会や国民民主党も同様の主張のため、党内外から圧力を加えられている状況だ。

　会期末は6月22日。直前には先進7カ国首脳会議（G7サミット）に合わせ、米国の高関税措置を巡る日米首脳会談の可能性もささやかれる。政治の重要案件の動向をにらみながら、野田氏はごく短期間で結論を下すとの見方も。周辺はささやく。「最後は瞬発力で決めるだろう」

衆参ダブル選への引き金に？　内閣不信任案、苦悩の立民「うちは衆院選候補なんて全然足りていない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/12012ae46638edb5fc87d00c16119f0f7d3c0ec7