- 1 : 2022/11/06(日) 14:54:56.286 ID:zaJfUBrK0
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令嬢「平民の猿を連れて歩かなければならなくなるなんて」ハァ
俺(なんで俺が、こんな目に……)
令嬢「うっ」ヨロッ
俺「し、失礼いたします!」バッ
俺「大丈夫でございますか!」令嬢「……なぜ、石のある上を歩かせたのかしら?」ギロッ
俺「えっ、し、しかし、外ですし、そういうことも……」
令嬢「……」スッ
俺「て、鉄杖……?」
ガツッ、ドゴッ
俺「うぶっ!」
俺「お、お辞めください!」令嬢「私は、公爵家の長女よ! 私の身体に傷でもつけたら、貴方はどう償うつもりだったのかしら!」ドゴッ、ドガッ
令嬢「貧民の老婆の手でも引いているつもりだったのかしら!」
令嬢「次やったら殺してやるわ!」俺(こ、このままだと殺される……)ハァハァ
- 2 : 2022/11/06(日) 14:55:24.645 ID:zaJfUBrK0
-
俺(……貴族の料理はやっぱり豪華だな)
令嬢「…………」
令嬢「口許まで運んで頂戴」俺「そ、それもですか」
令嬢「…………」イラッ
俺「い、いえ! なんでもありません!」
俺(……こんなことまでさせて、恥ずかしくないのか?)チャカチャカ
俺(こいつら平民を人間だと思ってないから、そういう感情はないのかもしれんな)俺(お高く留まりやがって。今フォークで突いてやったら、殺せるのに……)
令嬢「早くしなさい!」
俺「はっ、はい! 何からとりましょうか!」
- 3 : 2022/11/06(日) 14:56:24.888 ID:quC4kwpiM
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いいよねこういうの
- 4 : 2022/11/06(日) 14:56:25.165 ID:zaJfUBrK0
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令嬢「……取るのは遅いわ、間違えるわ、下に落とすわ」
令嬢「最低ね」ハァ俺「……お粗末様でした」
令嬢「全部で八回だったわね」スッ
俺「え……れ、令嬢様?」
シュンッ、バンッ
俺「おぶっ! あがっ!」
- 5 : 2022/11/06(日) 14:57:43.889 ID:zaJfUBrK0
-
メイド「大丈夫ですか、俺さん? こんな、怪我だらけで……」
俺「気を遣ってくれてありがとうございます」
俺「これくらい平気ですよ」ハハハメイド「食事の時間以外令嬢様に付きっきりなのに、令嬢様の横暴で食事もまともに取れずに殴られっぱなしなんて……」
俺「……」
メイド「……大変でしょう。令嬢様は、サマエルと使用人の間で呼ばれているのですよ」
俺「それって、えっと……死の天使でしたっけ」
- 6 : 2022/11/06(日) 14:58:07.911 ID:zaJfUBrK0
-
メイド「そうです。サマエルは、その罪によってモーセに目を潰されたのですよ」クスッ
俺「……聞かれるとまずいですよ」
メイド「このくらい、皆口にしていますよ」
メイド「それに、あの性格ですから。親族も令嬢様を遠ざけていますし、咎めて騒ぐ人はいませんよ」俺「そんなものですか……」
- 7 : 2022/11/06(日) 14:58:16.572 ID:zaJfUBrK0
-
メイド「あまりご一緒できる時間はありませんが……俺さんは丁寧で大人しくて、いい人ですね」ニコッ
俺「はは、あまり人馴れしていないだけですよ。田舎から出てきたもので」
メイド「またお時間合いましたら、お話しましょう」
俺「ええ、また……」
- 8 : 2022/11/06(日) 14:58:34.592 ID:zaJfUBrK0
-
ドンッ、ドンッ
令嬢「遅い! 食事くらい、すぐに済ませなさい!」
俺「は、はい、すぐに!」
メイド「大変ですね」
メイド「妹様は、私達使用人にも優しく接してくださる、いいお方なのですが……」俺「では、いつかまた」ドタドタ
- 10 : 2022/11/06(日) 15:00:39.114 ID:zaJfUBrK0
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令嬢「早く着替えさせて頂戴」
俺「……は、はい」ゴクッ
スルスル
俺(陰口でも天使と叩かれるだけのことはある……綺麗だ)俺(人の手を借りないと生きていけないから割り切ってるのかもしれないが……それでも、普通男にはさせないだろ)
俺(本当……俺達平民のことなんて、道具としか見てないんだな)俺(…………)ソオッ
令嬢「早くしなさい。56すわよ」
俺「ただっ、ただちに!」
- 11 : 2022/11/06(日) 15:01:33.107 ID:zaJfUBrK0
-
俺「……こ、この位置で大丈夫でしょうか?」ソッ
令嬢「本当に中央なのでしょうね」
俺「……少し動かしますね」
令嬢「………」チッ
俺「ひっ!」ビクッ
俺「これで、毛布を被せて……終わりました。今日もお疲れ様でございました」
令嬢「…………」
俺(ぺっ、労いの言葉もなしかよ)
- 13 : 2022/11/06(日) 15:01:47.510 ID:zaJfUBrK0
-
俺(これで六時間開放される……)フウ
俺(令嬢様が起きる一時間前から横にいろって、どう考えてもおかしいよなあ)ハァメイド「俺さん、お勤めごくろうさまです」ニコッ
俺「メ、メイドさん! どうも……」
メイド「実は、俺さんとお話をしたいとおっしゃっている方がいまして。来てもらえませんか?」
俺「そ、そうなんですか? しかし、睡眠時間がその……」ハハ
メイド「妹様です」
俺「え、えっ!?」
メイド「いつも、一時間早いのでしょう? そちらの件も、妹様から許可を出していただけるかと」
俺「わ、わかりました。しかし、なんで俺なんかを……」
- 14 : 2022/11/06(日) 15:02:01.940 ID:zaJfUBrK0
-
妹「ありがとう、メイドちゃん」ニコニコ
メイド「い、いえ!」
妹「お話するのは初めてですね。俺さん」
俺「あ、あの、なぜ、俺なんかを……」
妹「……愚姉がいつも、迷惑をかけております」ペコッ
俺「そ、そんな、とんでもないです!」
俺(め、めっちゃいい人だ! なんで令嬢様と姉妹なんだ?) - 15 : 2022/11/06(日) 15:02:15.389 ID:zaJfUBrK0
-
妹「私が起こしてしまったので、朝遅く出る許可を出したといえば、父も母も、姉も、余計なことは言えませんよ」
俺「ありがたいです……」
妹「本題なのですが……俺さんはとても真面目で、仕事のできる人です」
妹「ここまで文句も大きな問題ごともなく姉に仕えていられる方は、本当に少ないんです」俺「過分な評価ですよ。……正直、俺もいつまで続けられるか自信がなくて」
妹「そうでしょう。私はそのような人が、姉の横暴で潰されるのを見たくはないのです」
俺「え……」
妹「庭師の仕事を増やして、空きを作って差し上げます。俺さんがそちらへ入れるよう、手配してあげましょう」
俺「ほっ、本当ですか!?」
- 16 : 2022/11/06(日) 15:02:30.868 ID:zaJfUBrK0
-
妹「今の仕事だと、まともに故郷にも帰れない上に、何の自由もありません」
妹「庭師の仕事も楽だとは言いませんが、今よりはきっとマシですよ。昼の食事も抜けられますし、お菓子の時間も設けております」
妹「夕食の頃にはその日の仕事はお終いです」俺「め、女神様……!」
メイド「よかったですね、俺さん」ニコッ
妹「一週間ほど、どうにか堪えてください。その間に進めてみせます」
俺「ありがとうございます!」
- 17 : 2022/11/06(日) 15:02:41.829 ID:bl4EH/f4a
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オチは?
- 18 : 2022/11/06(日) 15:02:55.553 ID:zaJfUBrK0
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令嬢「……何を考えているの?」
令嬢「いつも、六時前にはここで待っているのではなくて?」イライラ俺(こういう日に限って早起きなんだよなあ)ハァ
令嬢「抜けていたわけではないわね。五時にもいなかったもの」
俺(……ほ、本当、こういう日に限って)
俺「じ、実は他の使用人が倒れたらしくて、穴埋めに入っておりました」
俺「妹様より、許可はいただいております」令嬢「……お前は」
俺「…………」
令嬢「お前は私の世話係なのに、妹の言うことを聞くのね」
俺(ば、バレてる!? いや、そんなはずは……)ドキッ
令嬢「早く連れて歩きなさい」
俺「はっ、はい!」
- 19 : 2022/11/06(日) 15:03:15.955 ID:zaJfUBrK0
-
―三日後の夜―
妹「明日には父に提案できそうです」ニコニコ俺「ありがとうございます!」
メイド「よかったですね、俺さん!」
妹「これであの腐れ女と離れられて、さぞ嬉しいことでしょう」ニマァ
俺「……あ、姉なのでしょう? そこまで言わなくても……」
- 20 : 2022/11/06(日) 15:03:57.201 ID:zaJfUBrK0
-
妹「元々嫌いだったのですよ。目が見えなくなる前から、高慢で、我が儘で」
妹「その癖に天才肌で、美人で……散々甘やかされて、人の気持ちなど考えたこともないというような、そういう女でした」俺「は、ははは……」
妹「私も姉の尻拭いをさせられ、その上に姉と比べられ、お前はダメだとよく言われたものです」
俺「…………」
妹「そうしたら……フフッ、目が見えなくなって、あのザマで……!」
妹「ずっと何かに怯えてるみたいに、周囲の物に必死に当たり散らして、ああ、お可愛いことで」フフッ妹「元々捻じ曲がっていた性格が、ああも悪化するなんて!」
- 21 : 2022/11/06(日) 15:07:43.262 ID:zaJfUBrK0
-
妹「サマエルとはよく言ったものですよ、フフ」
妹「神様が見ていたのでしょう。あの性悪から、視力を奪っていったのです」
俺「…………」
メイド「本当、苦労かけられましたよね俺さん」
メイド「先に俺さんが死んじゃうんじゃないかと、ずっとハラハラしていました」俺「……お、俺は……」
俺「…………」
俺(情なんてないだろ……! あんな奴……!)
妹「どうしました?」
俺「お願いします……庭師の仕事、お願いします!」
妹「フフフ……」ニコニコ
俺(……本当に、よかったのか?)ギュッ
- 22 : 2022/11/06(日) 15:07:58.525 ID:zaJfUBrK0
-
盲目の令嬢「……私を待たせて、何様のつもりかしら?」イライラ
盲目の令嬢「本当に使えないわね」俺「申し訳ございませんお嬢様」
盲目の令嬢「次からしっかり……」
俺「明日からは、別の人が世話係になりましたので」
盲目の令嬢「え……?」
俺「もう鈍くて覚えの悪い俺に苛立つこともありませんよ、よかったですね」
盲目の令嬢「え……? あ、え……?」
俺「そういうことですから……」
盲目の令嬢「あ……」ツウ
盲目の令嬢「ち、違う……これ、涙じゃなくて……あ……」 - 23 : 2022/11/06(日) 15:09:38.226 ID:quC4kwpiM
-
これはMに見せかけたS向けのss
- 24 : 2022/11/06(日) 15:09:41.619 ID:zaJfUBrK0
-
俺「今日が、最後ですから……」
俺「よかったですね、お嬢様」盲目の令嬢「……そう、そういうこと」
盲目の令嬢「やっぱり貴方も妹についたのね」俺「……なんですか?」
俺「せ、責めたかったら、責めればいいだろ!」
俺「男の俺が世話係をするのは、不都合だし……お嬢様もせいせいするだろ!」盲目の令嬢「…………」
俺(チッ、今日に限って大人しいのか。調子が狂う)
- 25 : 2022/11/06(日) 15:11:02.877 ID:ao/3mCQm0
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3回くらい見たわこれ
- 26 : 2022/11/06(日) 15:11:42.176 ID:9YIoDs3O0
-
パンツ脱いだ
- 27 : 2022/11/06(日) 15:13:10.380 ID:zaJfUBrK0
-
父親「俺君、ご苦労。この食事が終われば、君には庭師に入ってもらう。先輩から学んでしっかりやってくれ」
妹「休憩も取れるようになりましたから、無茶はなさらないでくださいね。時間が合えば、一緒にお茶でも飲みましょう」ニコニコ
俺「はい……」
メイド「よかったですね、俺さん! これまで本当に大変そうでしたから……。妹様に感謝しましょうね!」グッ
俺「……」
盲目の令嬢「…………」ポツン
俺「……食べ終わりましたか?」
盲目の令嬢「……まだ、残ってるでしょ」
俺「……いえ、全然お食べにならなかったので。それは失礼を」
- 28 : 2022/11/06(日) 15:14:17.997 ID:zaJfUBrK0
-
メイド2「次からは、私が令嬢様のお世話をさせていただきます……」ペコペコ
俺「……ああ、頼む」
俺「一通りは教えてあるが、わからないことがあったら聞いてくれ。令嬢様は目が見えないから、彼女でも把握していないことが多い」メイド2「は、はい!」
盲目の令嬢「……」
俺「……一言くらい責めたらどうだ? 可愛げのない」
盲目の令嬢「どうでもいいもの。どうせ、すぐどこかに行くと思っていたわ。妹の手引きだったのは心外だけど」
俺「……そうか、じゃあ」
盲目の令嬢「あ、ま、待って……」ガシッ
- 29 : 2022/11/06(日) 15:15:36.920 ID:OWplQMv+0
-
何で他人のss再放送すんの?
- 30 : 2022/11/06(日) 15:18:34.496 ID:zaJfUBrK0
-
>>29
俺のだけど - 31 : 2022/11/06(日) 15:20:21.449 ID:ShlFt5Tp0
-
つ④
- 32 : 2022/11/06(日) 15:22:05.378 ID:5vfhVsrZ0
-
続き書いてくれ
- 33 : 2022/11/06(日) 15:24:00.747 ID:zaJfUBrK0
-
俺「……うっ」
盲目の令嬢「ま、待って、お願い……私……」ジワッ
俺「散々人のことぶっ叩いておいて、何のつもりだよ!」
盲目の令嬢「あ……」スル
俺「……それじゃあ、さようなら、令嬢様。もう、話をすることはないでしょう」
盲目の令嬢「あ、あ……あ、カハッ、コホッ、かひゅっ……!」ドサッ
俺「れ、令嬢様!」
メイド2「く、苦しそう! 何が……! 人を! 人を!」
- 34 : 2022/11/06(日) 15:24:31.242 ID:5vfhVsrZ0
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ここから知らない
引用元:https://mi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1667714096
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