時事通信「菅首相は党首討論に入念な準備で挑み立憲民主党の枝野を見事に論破。64年東京五輪の思い出を語り五輪の意義を訴えた」

最後のヤマ場「ワクチン」前面　五輪死守へ首相反撃　枝野氏攻め切れず〔深層探訪〕
6/12(土) 8:28
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c4d440f9b424df75fc8355a195ff35da5d45d15

今国会最後のヤマ場と位置付けられた9日の党首討論は、新型コロナウイルス対応と
東京五輪・パラリンピック開催の是非がテーマとなった。
菅義偉首相はワクチン接種の加速を前面に、既定方針通り五輪を決行する考えを強調。
たびたび反論する場面もあった。
立憲民主党の枝野幸男代表は討論を内閣不信任決議案提出の布石とする構えで臨んだが、攻め切れなかった。

◇入念
枝野氏は冒頭、今年に入って緊急事態宣言の発令と解除が繰り返されたことに「反省」を要求。
第5波を防ぐため、解除の基準を「新規感染者が東京都で1日50人程度」に設定するよう迫った。

首相は「厳しい措置を行ってきた国々でも収束できなかった」と反論。
ワクチンを「切り札」とし、
(1)高齢者接種は98％の自治体で7月中に完了する
(2)総接種回数は今月末に4000万回を超える
(3)10～11月に希望する国民への接種を終える
―と数字や期限を挙げて今後の見通しを示した。

さらに、枝野氏が感染を抑え込んでから経済活動を再開する「ゼロコロナ」を主張してきたことに触れ、
「御党は私権制限強化に非常に慎重な立場だ。国民にどうやって強制的に検査を受けてもらうのか
一回聞いてみたかった」とやり返した。

五輪に関し、首相は水際対策やPCR検査の徹底、大会関係者のさらなる絞り込みに取り組むと表明した。
その上で、1964年の前回東京大会で熱烈な声援を受けた女子バレーボール代表「東洋の魔女」、
敗者に敬意を払う姿が感動を呼んだ柔道男子金メダルのへーシンク選手（オランダ）に言及。
「そうしたことを子どもたちに見てほしい」と開催の意義を訴えた。

首相はこれまで衆参予算委員会などで野党の追及に的確に答えられないケースが多かった。
東京都議選と衆院選を控え、枝野氏らが最後の機会として全力を挙げてくることが予想される中、
政府・与党内には不安の声が出ていた。

関係者によると、首相はこの日の討論に向けて入念に準備。
反撃を試みる際も手元に用意した資料に目をやっており、
何とか乗り切ろうとする意図がうかがえた。

「私が申し上げたいことを言ってもらった」。
枝野氏の次に登場した日本維新の会の片山虎之助共同代表が
「首相が矢面に立っているが、本当は開催都市の小池百合子都知事が出ないといけない」と
水を向けたのに対し、首相は笑顔でこう返す余裕も見せた。

◇迷い
一方、野党側には選挙を控えて「批判一辺倒のスタイルはいかがなものか」という声が渦巻いていた。
五輪開催の是非をめぐっては、世論も賛否が交錯する。
これを意識したのか、枝野氏は党首討論で「中止」を明確に主張しなかった。

同時に枝野氏は、政府・与党が今国会を16日に閉じる方針であることを取り上げ、「政治空白」をつくると批判。
感染急拡大に対応する30兆円規模の2021年度補正予算案の編成と会期の大幅延長を求め、
論戦重視の姿勢をアピールした。

首相は補正編成に関して「今年度への繰り越しが30兆円ある」と指摘し、
延長は「国会のことは国会で決めてもらいたい」と述べただけ。
討論後、記者団に感想を問われた枝野氏は五輪の安全性や意義を含め「ゼロ回答」だったと非難。
「国民の命と暮らしを守るには政権を代えるしかない」と強調した。

共産党の志位和夫委員長も記者会見で
「五輪の意義について一切答えがなかった。中止するしかない」と断言した。
野党側は10日に党首会談を開き、今後の対応を協議する。
政権側が会期延長に応じないことを理由として不信任案提出も辞さない構えだが、
自民党の下村博文政調会長は会見で
「不信任案や政権交代という気迫は弱かった」と挑発するかのように語った。

枝野「、、、そんな議論は党首討論にふさわしくないっ」

この流れは笑ったわ