大田区蒲田に行くからおすすめスポット教えてくれ

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「飲みたい」都内から越境酒提供の自粛要請、隣接の街は

神奈川、千葉、埼玉の３県の自治体の多くでは、２８日から酒類提供の自粛が要請されている。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出ている東京都からの「越境飲み」を防ぐ狙いがあるが、その効果は？要請があった初日の夜、記者が東京都に隣接する街を歩いた。
■にぎわう川崎
東京都大田区などに隣接する川崎市のＪＲ川崎駅。２８日午後５時、アーケードを抜けると、「店内での飲酒はできません店主」といった飲食店の掲示が次々と目に飛び込んできた。この日から休業する店も多く、シャッターが下りた店も目立った。
ある飲食店は神奈川県の求めに応じて営業時間を午後８時までとし、２８日からは酒類の提供もやめた。だが、３０代の男性店長はあきれ顔で「あっちを見てください」とため息をついた。
視線の先は、道を隔てた向かいの居酒屋。時短要請に応じず、酒類も提供していた。店内で飲食する六つのグループのうち、五つがマスクをしていない。飲食店の売り上げは前日の３分の１に落ち込んだといい、男性店長は「酒類を提供している店に明らかに客が流れた」と肩を落とす。
酒類を提供していたこの居酒屋で同僚と３人で飲んでいた４０代の会社員男性によると、勤務先の最寄りは多摩川を挟んだＪＲ蒲田駅（大田区）。都内は緊急事態宣言で酒類を提供する飲食店が休業要請の対象となり、会社のそばで飲める店が思い当たらなかったという。
川崎市もまん延防止等重点措置の対象地域だが、男性らは「川崎は大きな街。きっと飲める店があると思った」と電車で訪れたという。「飲んでいるのは普段から一緒に働いている同僚。飲みたい人は結局、店を探して飲むんじゃないでしょうか」
駅周辺では会社員男性（２６）が営業中の居酒屋をスマートフォンで撮影していた。「都内に住む友達に、この時間でも飲める店を教えていた」という。昨年は控えていた飲み会を、今年は月に２回ほど開いている。「１年以上我慢、我慢だったので、あとは自己責任だと思う」と話した。
■ひっそり川口
東京に緊急事態宣言が出るのに合わせ、神奈川、千葉、埼玉の３県が酒類提供の自粛を要請したのは、都に近接するなどしている３６市町。それが功を奏したとみられる地域もあった。
千円で酔える「せんべろ」の街として知られる東京・赤羽から、荒川を越えたＪＲ川口駅（埼玉県川口市）前。創業３０年以上の焼き鳥店は、２７日は３０人ほど来店したが、２８日夜はカウンターに客は６人だけ。ノンアルコールビールやウーロン茶を飲みながら、焼き鳥をつまんでいた。
周辺には、２８日からの休業や酒類提供の取りやめを知らせる貼り紙があちこちに貼られていた。焼き鳥店の男性オーナー（６４）は「このあたりは古くからの店も多くて、まとまりがある。周囲の目を考え、ルールは守る」。
昨年５月に開店した近くの別の居酒屋では、男性店主（４４）が「飲めませんか」と聞く若者ら５組ほどに断りを入れていた。
２度目の緊急事態宣言が明けた直後の３月下旬～４月上旬は４０席の店内が連日埋まった。午後８時までの時短営業とした今月２６～２７日は、「今日までしか飲めないから」と、各日３０人ほどの客が訪れたが、この日はわずか２人。男性店主は「そもそも川口に『飲みに行く街』というイメージがないのかも。売り上げが戻ってきたところで、『またか』と思う。人出が増える連休に期待していたのに、きついですよ」と話した。
■東京の宣言後、人出上昇の地点も
神奈川・千葉・埼玉の３県の酒類提供の自粛要請で、東京都周辺の駅の人の流れはどう変化したのか。要請の前後の平日（４月２７日と２８日）の人出について、ソフトバンクの子会社「アグープ」のデータをもとに比べてみた。
東京に近接するＪＲ川口駅（埼玉県川口市）やＪＲ西船橋駅（千葉県船橋市）のほか、ＪＲ桜木町駅（横浜市）の３駅周辺の午後９時台の人出を分析した。２８日は２７日と比べ、川口市は２％減だが、桜木町は１％増、西船橋は６％増と上昇した。２８日が祝日前だったことを踏まえても、人の流れの抑制にはつながらなかったことが読み取れる。
また、緊急事態宣言が東京都に出された２５日と、前週の１８日の午後９時台の人出も比べてみた。桜木町は１３％減ったものの、西船橋は９％増、川口は１１％増と増えていた。新宿と渋谷の周辺がいずれも２５％減で、まだ酒類提供の自粛要請が出されていない時期には一定程度の「越境飲み」があった可能性もある。
■神奈川、千葉、埼玉の３県で酒類提供の自粛を要請している地域
＜神奈川＞
横浜市、川崎市、相模原市、鎌倉市、厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市