ネット中傷の侮辱罪適用、拡大。「あほすぎるな」「バカすぎんねんだから頭が」でも有罪からの罰金30万円

侮辱罪の運用状況を検証する有識者検討会の初会合（12日午後、法務省）=共同
2022年7月に法定刑を引き上げた侮辱罪の運用状況を検証する法務省の有識者検討会が12日、初会合を開いた。厳罰化後の同罪の適用状況が説明され、インターネット上の誹謗（ひぼう）中傷に適切に対応できているかや、表現の自由を不当に制約していないかなどを議論することを確認した。

侮辱罪は22年7月に施行された改正刑法で法定刑に「1年以下の懲役もしくは禁錮（現在は拘禁刑）」と「30万円以下の罰金」を加えた。改正前の法定刑は「拘留（30日未満）か科料（1万円未満）」のみで刑法の罪の中で最も軽かった。公訴時効も従来の1年から3年に延びた。

初会合では法改正後から今年6月末までの侮辱罪の適用状況が説明された。SNSなどインターネット上の行為で公判請求されたのは6人、略式命令請求105人、家裁送致29人だった。

裁判が確定したのは104人で科料19人、罰金85人だった。罰金で最も多かったのは10万円以上20万円未満の74人。懲役・禁錮や拘禁刑となった事案はなかった。

侮辱罪が適用された具体的な事例も明らかにされた。SNSに被害者の画像を掲載し「見た目からしてバケモノかよ」と書き込んだケースや、「あほすぎるな」「バカすぎんねんだから頭が」などと発言する動画を投稿した事案はそれぞれ30万円の罰金刑が科された。

構成要件は従来と変わらず「公然と人をおとしめる行為」に適用される。一般的に不特定または多数の人が認識できる状態で、「バカ」「4ね」などと他人に対する軽蔑の表示をする行為が処罰対象とされる。

ネット中傷へ侮辱罪適用、厳罰化後100人超　法務省検討会が検証開始 - 日本経済新聞

2022年7月に法定刑を引き上げた侮辱罪の運用状況を検証する法務省の有識者検討会が12日、初会合を開いた。厳罰化後の同罪の適用状況が説明され、インターネット上の誹謗（ひぼう）中傷に適切に対応できているかや、表現の自由を不当に制約していないか...

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