サル痘の感染者、58人が死亡

　Q　これまでの経緯は？

　A　サル痘は西アフリカや中央アフリカで患者の報告がされている感染症だ。世界保健機関（WHO）によると、コンゴ民主共和国では今年1～5月に1284人が感染し、58人が死亡している。

　5月7日、英国の保健当局から患者1人が出たとWHOに報告があった。アフリカ西部のナイジェリアに渡航歴があったという。

　だがその後、この患者とも関連がなく、アフリカへの渡航歴がない人の間で相次いで感染が確認された。英国では26日までに106人が感染したと発表されている。

　WHOによると、26日までに英国のほか、米国やオーストラリアなどアフリカ以外の20カ国で計257人の患者が報告されているという。死者は出ていない。

　今回は「人から人への感染が拡大している初めてのケース」と専門家も指摘している。

　WHOはふだん患者が報告されていない国で感染する例が相次いでいることから、「拡大が予想される」と警戒を強め、調査を続けている。