サル痘、疑い患者

「サル痘、疑い患者の情報提供を」厚労省が事務連絡
https://sp.m3.com/news/open/iryoishin/1048503

　サル痘は現在、感染症法上で4類感染症に指定されており、感染者もしくは無症状者を診断した医師、感染疑いのある死体を検案した医師はただちに保健所に届け出を行う必要がある。

　また、これまで国内での発生がないことから、当面は特定感染症指定医療機関および第1種感染症指定医療機関での受け入れを優先的に検討してほしいとした。

【疑い例の定義】以下の（1）～（3）を全て満たす

（1）説明困難な急性発疹（水痘、風疹、梅毒、伝染性軟属症、アレルギー反応等のその他の急性発疹を呈する疾患によるものとして説明が困難である時）

（2）次の1つ以上の症状

　発熱（38.5℃以上）
　頭痛
　背中の痛み
　重度の脱力感
　リンパ節腫脹

（3）次のいずれかに該当

　発疹等の発症の21 日以内にサル痘常在国に滞在歴。

　発疹等の発症の 21 日以内にサル痘常在国以外のサル痘症例が報告されている国に滞在歴があり、滞在先で他者との濃厚接触（性的接触を含む）。

　発疹等の発症の 21 日以内にサル痘常在国やサル痘症例が報告されている国に滞在歴がある者と日本国内において濃厚接触（性的接触を含む）。

　発疹等の発症の 21 日以内に複数または不特定の者と性的接触。

（1）報告

疑い例の症例定義に該当する者を診察した場合には、最寄りの保健所に相談する。

特に、最近の海外渡航歴を有する疑い例については、渡航歴、接触歴（性的接触歴を含む）、天然痘ワクチン接種歴等の詳細を可能な限り聴取する。

感染症法第 15 条による保健所の積極的疫学調査に協力する。
疑い例の検体を保存するとともに、保健所の求めに応じて、検体を提出する。

（2）臨床上の留意点

疑い例に接する際には、接触及び空気予防策を実施する。入院が必要となる場合は、個室（陰圧個室が望ましい）で管理を行う。

サル痘の患者については、全ての皮疹が痂皮となり、全ての痂皮が剥がれ落ちて無くなるまで（概ね 21 日間程度）は周囲のヒトや動物に感染させる可能性がある。

サル痘については、常在国における致死率は高い一方で、非常在国における重症化率については不明であることから、入院での管理を行うことが考慮される。

外来においてフォローアップを行う場合には、自宅等における感染対策を徹底するとともに、自身の健康に注意を払い、症状が悪化する場合には入院治療を行うことができるよう、最寄りの保健所と連携を取る。

これまで国内での発生がないことから、当面の間、特定感染症指定医療機関及び第1種感染症指定医療機関においては、患者等の受入れや接触者の発症時の受診の受入れを優先的に検討。

サル痘患者が利用したリネン類を介した医療従事者の感染の報告があることから、リネン類を含めた患者の使用した物品の取り扱いには注意。

診断や治療等の臨床管理については、国立国際医療研究センター国際感染症センター（DCC）に相談を行うことが可能。