なぜ今、大工さんの数が減っているのか？→ 現場で聞いた”リアルな理由”とは

「今の家は昔よりも材料や工法が複雑なんですよ。でも、それに見合った単価が出ない」

最近の住宅は高気密・高断熱が当たり前になり、精度が求められる一方、
大手ハウスメーカーや工務店の下請け構造では、単価が上がらず仕事量だけが増えているという現実があります。

「腕のある職人ほど、次第に独立して別の仕事に移る。残るのは本当に好きでやってる人だけです」

理由②　若手が入っても続かない

「見て覚えろの時代じゃなくなった。でも、教える側も余裕がない」

建築現場の多くは中小工務店。
教育体制が整っていないケースも多く、見習いが入っても辞めてしまうことが多いそうです。

さらに、現場仕事は天候や体力にも左右されやすく、
「安定志向の若者が避けがち」という構造的な問題もあります。

理由③　仕事の波が激しくなった

「昔は“地元の家を地元の職人が建てる”って流れがあったけど、今は大型案件が集中しすぎてる」

住宅の新築着工数が減る一方で、リフォームや店舗改修などは一時的に集中。
忙しい時期と暇な時期の差が大きくなり、
結果的に職人が安定収入を得にくくなっています。

理由④　道具や資材の高騰

インパクトドライバーなどの電動工具も値上がりし、
材料費や燃料費も上昇。

「材料も道具も全部高くなった。今は“稼ぐ”より“維持する”のがやっと」

この「稼げない仕事」構造が、大工離れをさらに加速させています。