【スチモシーバー】うつ病は脳に機械を埋め込んで治療する時代へ

うつ病の治療として「脳インプラント手術」を受けた女性の体験談
https://www.cosmopolitan.com/jp/beauty-fashion/health/a38167719/woman-who-received-first-brain-implant-for-depression-says-shes-been-able-to-build-a-life-worth-living/

2020年、とある女性がうつ病治療のために脳インプラント手術を受けたことが話題に。彼女の名前は、サラさん（アメリカ在住）。その内容は、頭蓋骨の内部に神経を刺激する装置を埋め込むというもの。装置が必要性を感知すると電気刺激が送られ、深刻なうつ状態を治療することができるのだとか。

この記事では、サラさんの体験談を＜コスモポリタン イギリス版＞からお届けします。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

この治療法の研究チームがあるカリフォルニア大学サンフランシスコ校のキャサリン・スキャンゴス医学博士によれば、刺激装置はサラさんの脳内のとある回路に設置されているそう。

「私たちは、脳内の腹側線条体（ふくそくせんじょうたい）という部位に刺激を与えることで、彼女のうつ状態を改善することができると発見しました。さらに、症状が深刻な場合には扁桃体の一部が最初に活発化することもわかったのです」

サラさんは抗うつ剤や電気ショック療法を繰り返し試してみたものの、長期にわたって深刻なうつ状態が続いたため研究に参加することを決めたそう。インプラント手術を受ける決断をしたことについて、サラさんは＜BBC＞に「ありとあらゆる治療の選択肢を使い果たしてしまったんです。日常生活にも大きな支障が出ていました」と語りました。

「毎日拷問にあっているみたいで、動いたり何かをしたりすることすらほとんどできなかったんです。うつ状態になって落ち込んでいるときは、見るものすべてが不快に感じました」
　
研究自体はまだ実験的な段階にあるものの、ここ数年で経験したうつ状態の苦痛から「自由になる」可能性を感じるというサラさん。全身麻酔をかけて行われた一日がかりの手術では、脳に刺激を送るリード線をつけるためにドリルで頭蓋骨に穴を開けられ、さらにバッテリーとパルス発生器が頭皮のすぐ下に埋め込まれたのだとか。

術後は「すぐに気分が良くなっているのを感じた」と言うサラさん。

「最初に装置が作動したとき、その一瞬で人生が上向きになったような気持ちになりました。毎日が以前のようにまた快適になったんです。そして、数週間のうちに希死念慮が消えました」

手術から1年以上が経過した今、サラさんは、何の副作用もなく彼女の人生を変えたこの治療法に感謝している様子。

「この装置のおかげでうつ病の症状が治まっているので自分のベストな状態でいられるし、再び生きるに値するような人生を送れていると感じています」
装置が作動しているときはわかるのかと聞かれたサラさんは、こう答えました。

「（装置が）動きはじめると15分のうちにわかります。だって、注意力やエネルギーが出てきたり、ポジティブな気持ちになったりするから」

この研究の詳細は、学術誌＜ネイチャー・メディシン＞に掲載されています。カリフォルニア大学の研究者たちはこの治療が他の患者や症状にも役立つと断定するには時期尚早としているものの、今回の結果は前途有望。

スキャンゴス医学博士は、この手術を一般に提供するには「患者によって脳回路がどのように異なるかこの治療を何度も繰り返し、見守っていく必要があります」と語っています。

※この翻訳は、抄訳です。
Translation：mayuko akimoto
COSMOPOLITAN UK