「誰も来ないのでは…」孤立集落に広がる不安 能登半島地震

地震で甚大な被害を受けた石川県の能登半島北部では、土砂崩れや陥没で道路の寸断が相次ぎ、孤立状態の集落が多数発生している。生活に不可欠な飲料水や物資が尽きかけた厳しい状況に被災者の疲労の色は濃い。被災地では7日から大雪が予想され、さらなる不安が広がっている。

　「雪が積もれば、物資の調達が断たれてしまう」

　同県輪島市町野町金蔵（かなくら）の農業、山下祐介さん（37）は大雪に懸念を強めている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/589fd74f4f36191785aea7cf55b1867421600843

　地震発生以来、住民らが地域の集会所などで避難を続けている。地区内に住む約100人分の食料を確保するため、一部の住民が迂回（うかい）路や舗装されていない道を車で通り、市街地に物資を調達しに出かけている。それでも飲料水や発電機用のガソリンが不足している。

　地震発生から6日目を迎えた6日になっても、一度も自治体などから支援物資は届いていない。携帯電話はつながらず、被害や支援に関する情報も得られないという。

　山下さんは「この地域は大きな被害は免れたが、避難者たちは支援が後回しになって誰も来ないのではないかと不安がっている」と明かす。

　能登の山間部では7日夕からの24時間で、多い所で20～40センチの降雪が予想されており、物資の調達がより難しくなる可能性がある。山下さんは「雪に備えて準備はしているが、いつまでもつのか。早く必要な物資を届けてほしい」と訴えた。