「いち早く発信すべきだった」万博協会の津波アナウンス遅れに大阪市の横山市長が苦言

報告・楠下一輝記者
「午前11時に遊泳禁止が解除され、この白良浜海水浴場にも観光客の姿が戻ってきました」

午前10時45分。近畿地方や東海地方などに出されていた注意報が解除され、一時、緊迫した夏の観光地には家族連れなどの笑顔が。

観光客
「警報が解除されて、入れるようになるのを期待していたという感じです」

「昨日、本当は泳ぐつもりだったんですけど、津波があって、翌日にはこんなにきれいで、何人かの観光客が来ていて、僕らもあそこですごく楽しめるのがいいと思う」

「遠くから来たかいがあったなと思いました」

「ガタガタ」
「キャー」

30日、カムチャツカ半島付近で起きた地震の影響で、全国の幅広い沿岸部に津波が到達。

1メートル30センチの津波が観測された岩手県久慈港では、地面との境目が見えないほど海面が上昇しました。

避難を急ぐ車による渋滞が発生し、公共交通機関もマヒするなど、混乱が見られた日本列島。

30日、気象庁が午前9時40分に出した津波警報は、和歌山県で解除されるまで約9時間に及び、その後も注意報が継続されました。

警戒が長く続いた理由について、気象庁は。

気象庁 地震火山部・清本真司さん
「カムチャツカ半島地震なので、海外で発生する地震は様々なところで反射し、ぶつかって津波が戻ってくる。あるいは海底地形の影響で屈折し、特定の方向に津波が集中するなどの影響を受け、まだ津波が続いている」

大きな揺れがなく、遠くで起きた地震に危機感を感じ取る難しさがあった今回の津波避難。

「そんなにピンとこなかった感じ。 対岸の火事みたいな。あまり大変やなというのは具体的にわからなかった」「何か準備せないかんなとは思うきっかけになったというか」

「防災バックなど見直さないといけないと、話はした。水とか」
子ども
「食べ物とか、時間つぶしの物とか」

「正しく恐れる」姿勢を持ち続けたい津波の避難行動。

30日、大阪では津波注意報が出され、大阪・関西万博の会場では安全面に問題はないとする場内放送が流されたのが、津波の到達予想時刻の7分後だったことから、万博協会側は情報提供の遅れについて、30日謝罪しました。

万博協会・川口征洋部長
「情報の内容について、大阪府市とも連携しながら、より安全に安心に感じてもらうために、どういう提供がいいか調整していたが、 結果として（津波到達予想時刻の）12時を超えてしまった。安心のための情報提供のところでは改善の余地があった。大変申し訳ございません」

31日開かれた関西広域連合の会合でも津波避難のあり方が議題に。

万博協会の当時の対応に大阪府の吉村洋文知事は。

大阪府・吉村知事
「課題としてですね、情報発信が遅れたというところがあると思います」
「これは情報発信の在り方に問題がある」